夢の浮橋
倉橋由美子さんの小説。全体を通して、アンニュイな空気が詰まっている、35年前のこの小説の中では、デートはあひびき、である。 子供の頃は、大人の世界はこんななんだなーと感じたけれど、自分が歳をとっても、ちっともこんなではなかった。 これはそれぞれの資質と時代の空気の違いかな、と思う。 今の子供達は、秘密めいた大人の世界を想像して、憧れる事なんてあるのかな。
倉橋由美子さんの小説。全体を通して、アンニュイな空気が詰まっている、35年前のこの小説の中では、デートはあひびき、である。 子供の頃は、大人の世界はこんななんだなーと感じたけれど、自分が歳をとっても、ちっともこんなではなかった。 これはそれぞれの資質と時代の空気の違いかな、と思う。 今の子供達は、秘密めいた大人の世界を想像して、憧れる事なんてあるのかな。
高岡智照尼の自伝、花喰鳥。12歳で花柳界に売られ、華やかな芸妓の世界での愛憎の日々、小指をカミソリで切ったり、アメリカへ渡ったり、映画女優になったり…後に39歳の時、出家。私はこの本を読む前に、明治の頃の芸妓の絵はがきで、このひとを知っていました。寂しそうな大きな瞳の美人。こんな人生を送った方だったとは… 智照尼をモデルにした、瀬戸内晴美の小説 女徳 、読み比べてみるのもいいかもしれません。
最近買った中で一番お気に入りの本「作家の猫」。この中に載っていた、朝倉文夫が飼っていた猫達の写真を見てびっくり。きなことみるく(きなこの姉妹猫で昨年夏に死去)にそっくりなのがいる! 谷中に朝倉彫塑館という、朝倉文夫の美術館があります。ひんやりとした館内には、猫の作品が沢山あります。 きなことみるくは、谷中のお屋敷に生まれた猫なので、朝倉文夫の猫達と、血が繋がっているのかもしれないな…孫ひこヤシャゴ、くらいの。そういえば、谷中と根津には、きなこに似た柄の猫が多い気がする。ちょっとドキドキして嬉しくなっちゃった。
昭和10年代の婦人雑誌の付録本が見つかりました。和服の再生法や西洋料理の作り方などの本で、広告も興味深いものが載っています。昔の日本人はいかにいろんな物を自分の手で作って居たことか、感心してしまいます。 ところで「くわんづめのおれうり」って何だと思います?缶詰のお料理のこと。昔のかなづかいを知るのも楽しい本です。
創刊は1982年。90年代後半のラブリーでガーリーなオリーブを思い浮かべて、ページをめくると、ド肝を抜かれるかも…なにしろ文字が沢山で、小さいニュースに「日刊アルバイト情報がCMキャラクターにあのタモリを起用」などとあり、隅々まで見落とせません。音楽、本、ファッション…面白いと思った事だけをページにしよう、という勢いが感じられます!
蕗谷虹児の詩画集、花嫁人形。
花嫁人形の詩は聞き覚えのある方もいらっしゃるかな、「きんらんどんすの帯しめながら…」のあれです。
きわめて日本風でありながら、絵の中の女性が身に付けている着物や帯は、アールデコ柄でモダンです。
持っているだけで嬉しい、時々開いて嬉しい、そんな宝物みたいな小さい本です。